環境社会課題のオープンチームサイエンスにおける情報非対称性の軽減

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研究プロジェクトについて

環境にかかわる社会の課題に対する理解が、たとえ知識や価値観、社会経済的地位のちがいや歴史的経緯によってずれていたとしても、課題解決に向けた行動につなげるための理論と方法を、琵琶湖の水草大量繁茂への対処やオマーンにおける伝統建築復興などの実践をとおして探究します。研究を通じて、オープンチームサイエンスという、社会に開かれた課題解決のための新しい学術研究のあり方を提案します。

なぜこの研究をするのか

地球環境問題は、人間社会と自然環境の相互作用が機能不全に陥り、社会が解決するべき課題として現れたものです。問題の構造は複雑であり、異なる分野の研究者や行政・市民など社会の多様な主体とチームを組んで問題の解決に資する共同研究(超学際研究)を実践するのが理想です。しかし、知識や価値観、社会経済的地位などのちがいが理解のずれを生んだり、歴史的経緯が継承されなかったりすると、研究実践がうまく進まないことがあります。そこで、ずれがあることを理解しつつ乗り越えて、共同研究を進めるための理論と方法を明らかにする必要があります。

これからやりたいこと

写真1: シビックテックの実証実験(2019年11月、滋賀県大津市の琵琶湖畔にて)

写真1: シビックテックの実証実験
(2019年11月、滋賀県大津市の琵琶湖畔にて)

写真2: 講演や会話をその場で描画するグラフィックレコーディング(2020年2月、大津市で開催した地域連携セミナーのひとこま)

写真2: 講演や会話をその場で描画するグラフィックレコーディング
(2020年2月、大津市で開催した地域連携セミナーのひとこま)

公的資金を投じた学術研究の成果を広く社会にオープンにするというオープンサイエンスの理念を、学術の知識生産システムそのものをオープンにすることに拡張し、これを〈へだたりを超えてつながる〉という超学際研究のエッセンスと融合することにより、「オープンチームサイエンス」という社会に開かれた新しい共同研究のあり方を提案します。この理念を実現するために、市民が公開データと情報通信技術を活用して地域の課題を自主的に解決するシビックテックの手法を研究実践に取り入れます。最終年度にあたる今年度は、これまで取り組んできた琵琶湖の水草問題に対処するためのコミュニティづくりの成果を、関係者へのインタビューなどを通じて検証するとともに、オープンチームサイエンスを実践する際の注意点を自己点検するためのチェックリストを作成します。また、講話や会話をその場で描画する「グラフィックレコーディング」の心理的効果の共同研究や、日本と地球研の超学際研究の特徴に関する国際共同研究を進め、私たちが10年後に享受する新しい研究のあり方を構想していきます。

新しい成果

プロジェクトメンバーとの共同研究を通じて、〈声の小さい〉主体の参加をうながし、搾取の構造を排除することにより倫理的衡平性を担保することと、研究プロセスを可視化することにより透明性を担保すること、対等な立場での対話の場をしつらえること、〈とりつくしま〉すなわち目的を共有する基盤を作ることを、オープンチームサイエンスの原則仮説として組み上げました。研究成果は国際学術誌に発表したほか、日本経済新聞「私見卓見」欄にオピニオンとして寄稿するなどして、積極的に発信しています。

集合写真

メンバー

プロジェクトリーダー

氏名所属
近藤 康久総合地球環境学研究所准教授

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。2014年より地球研准教授。専門は考古学、地理情報学、オープンサイエンス論。

研究員

氏名所属
中原 聖乃 研究員
末次 聡子 研究推進員

主なメンバー

氏名所属
大澤 剛士 東京都立大学都市環境学部
大西 秀之 同志社女子大学現代社会学部
加納  圭 滋賀大学教育学部/一般社団法人社会対話技術研究所
熊澤 輝一 総合地球環境学研究所
中島健一郎 広島大学大学院人間社会科学研究科
太田 和彦 総合地球環境学研究所
奥田  昇 京都大学生態学研究センター
清水 淳子 多摩美術大学
宮田 晃碩 東京大学大学院総合文化研究科
VIENNI BAPTISTA, Bianca チューリッヒ工科大学(スイス)
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